2012年01月31日

音声の文字変換を実用化へ

 人の声を自動的に文字に変換して表示する技術の実験が始まるそうです。

 音声の文字変換 実用化の実験

 注目すべきは、この実証実験がまず聴覚に障害がある子供たちの教育に活用しようとNTTが大手ゲームメーカーの任天堂などと共同で、30日から鳥取県と沖縄県のろう学校で行うことです。いきなり一般ではないところから始めるのにはいくつか利点があります。まず対象を限定して小さくはじめられること、その人たちが切望している技術であるため多少未熟なものであっても価値が出ること(ないよりはずっといい)、したがって熱心にモニターしてくれるであろうことなどです。

 将来この技術は障害のある人だけでなく一般の人にも役立つでしょう。この記事を元に立てられた掲示板ではさっそくこれは、オンラインゲームで効果絶大だなといった可能性も指摘されていました。確かに音声は一度に流すと聴き取れませんが、文字データであれば画面に一度に並べることもできます。最近話題の本「一般意志2.0」の著者東浩紀さんが国会議事堂にニコ生の中継を提案したことを紹介しました。ニコニコ生放送のように、ある議論を生中継し視聴者のコメントを一斉に画面に流して論者に見せると、全てのコメントをきちんと読めなくとも全体としての「空気」を読み、自身のその後の発言に生かすことができるだろうという意見です。しかし放送を見ながらてきぱきと自分の感想を文字に打ち込めるのはごく限られた人です。もし音声を文字に変換できるのであれば、老若男女が口々に画面の前で言う感想を文字にし画面に流すことで「空気」を読めるようになります。ゆくゆくはそのような解析を人間でなく機械で自動抽出することを目指していますが、音声の文字化によって、てきぱきタイプできない人のリアルタイムの感想を拾っていくことができるでしょう。音声の文字化早く身近になるといいですね。

 さて、今回の例を始め障害を持つ人のために作られたり、障害を持つ人が開発に加わったりすることが増えています。適当な言葉を知らないので広い意味でのユニバーサルデザインとでも言いましょうか。例えば機能が高くしかも使い心地の良いタオルを視覚に障害を持つ人と共に開発したタオルなんてものもあります。視覚に障害を持つ人の繊細な触覚を借りて作られた作品なのです。

 共生が根付けば根付くほど、多様な人材の交流によって様々なイノベーションが起こり、我々の生活はより豊かになるでしょう。これからもどんどん紹介していきたいです。
posted by 産業創出ネットワーク at 09:00 | TrackBack(2) | 記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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