(2013/5/7の記事作成のため、データを2012年のものに更新しました。また東京23区を合算して1位にしました。それに合わせて本文も変えています)
前回はロングテールが「多いのから少ないのまで存在感がある」という性質を持つことを紹介しました。今回は比較のためにロングテールに見えるけどそうではない例として、市区町村の人口を紹介します。全国の市区町村の人口を多い順に並べると次のようになります。データは「都道府県市区町村」というサイトから取りました。2012年10月1日の推計人口によるそうです。東京23区は23区で合算しました。
1 東京都 23区 8,996,073
2 神奈川県 横浜市 3,697,006
3 大阪府 大阪市 2,677,375
4 愛知県 名古屋市 2,266,851
...
1719 新潟県 岩船郡 御蔵島村 289
1720 東京都 八丈支庁 青ヶ島村 211
これをグラフにすると市区町村人口についての規模と順位のグラフになります。
例によってこのままだとよくわからないので、両軸の目盛りを 1, 10, 100, ・・・にします。
今度は前回と違って、右側で急に落ちています。この分布について、
・人口100から999人の市区町村に住む総人口
・人口1,000から9,999人の市区町村に住む総人口
・人口10,000から99,999人の市区町村に住む総人口
...
をグラフにすると次のようになります。
いかがでしょう。人口100から999人の市区町村に住むグラフはあるのか確認も難しい状態(全人口の0.01%)ですし、人口1,000から9,999人の市区町村に住むグラフもようやく見える程度(2%)です。前回紹介した、1人から3人の会社にもしっかりした存在感があるのとは全く異なります。一方100万人以上の大都市に住んでいるのは1/4弱23%です。半分弱47%の人が人口10万から100万人の街に住み、1/4強28%が人口1万から10万人の町に住み、つまり日本人の75%が人口1万から100万人の街に住んでいます。
この分布は対数正規分布というので説明しやすく、市区町村のサイズとしては数万人が標準的で、たまたまいろんな要素が重なると大都市になったり、小さな村になったりすると言い換えることができます。このような構造では要素は中心に集中します。1人から3人の会社が無数にあるとか、ほとんど再生されない動画が無数にあるのとはまったく異なった構造です。
もう一つ例を見ましょう。社会全体での売買はロングテールです。数個あるいは数十個しか売れない物が無数にあります。しかし、従来の店舗は市区町村型でした。在庫の制約であまり売れない物は置いておけませんでしたから、数個しか売れない物が無数に置けません。一方で、アマゾンは数個しか売れない物でも無数に置いたのです。その部分がいわゆるロングテールなのです。上記のように「多いのから少ないのまで存在感がある」かどうかを調べることで、その様子を生き生きと見ることができます。ロングテールの「多いのから少ないのまで存在感がある」性質、ぜひ覚えてください。
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