2012年07月24日
リチャード・ウィルキンソン「いかに経済格差が社会に支障をきたすか」に見る利他的行動の合理性
昨夜Eテレでリチャード・ウィルキンソンの「いかに経済格差が社会に支障をきたすか」 というTED のプレゼンが取り上げられたようですね。私も以前みたことがあり大変感銘を受けました。大変面白いグラフをいくつも紹介されています。
最初のメッセージは、経済格差の小さい国の方がより社会問題が小さいということです。日本は経済格差が小さい方で、社会問題にも比較的よく対応しているということです。日本に住んでいるとなかなか実感できませんが、海外と比べるとより安全で、健康で、教育も行き届いています。その他プレゼンに出てくるほぼ全てのグラフで日本は優秀な方です。もちろん我々自身はそれで満足していませんから、これからもその高いレベルをさらに高めたいものです。ただし、児童福祉の指標だけは飛び抜けて悪いです。詳しく指標の内容を見ていないのですが、少子化にも関連しているかもしれません。気にしておこうと思っています。
私にとって特に印象的なグラフは冒頭のものでした。イギリスより経済格差の小さいスウェーデンにおいては、上流階級であっても、下流階級であっても幼児死亡率はそれほど変わりません。イギリスでは上流になるほど低くなる医療格差が見て取れます。しかし、イギリスでは上流階級であっても、幼児死亡率がスウェーデンより悪いのです。まさに情けは人のためならずです。
先日こんなコラムが注目されました。
それでも経済的合理性は大切ですか?
自分を大事にする経済的合理性に基づいた行動ではなく、他人を利する行為こそが現代における合理的な行動ではないかという主張で、リチャード・ウィルキンソンに通じるものがあります。
そして、我々はその究極の証明を経験しています。
以前略奪発生せずという記事でも紹介しました。東日本大震災後の被災地では大規模な略奪など発生せず被害が拡大しなかったことは世界にも知られ、続くトルコの大地震のとき参考にされ略奪を防いだと言われています。
これはまさに先日紹介したこれからの6つの価値観のうちの一つ共生の考え方です。共生は道徳的なきれいごとの話ではなく、実際に我々一人一人にとってお得だということが次々に示されています。これからもどんどん実感できるかと思うと楽しみですね。

