2012年08月13日

「話し合って決める」という幻想の具現化現象

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 ちきりんさんの「話し合って決める」という幻想にインスパイアされました。

 ここで書かれているように、多様性を認める世界では相手の考えを変えようとか目論みません。相手をあるがままに受け入れます。そしてその多様性の中で共生という暮らし方が広がっています。それは「相手をあるがままに受け入れ」た上で、「協力する」ことです。ちきりんさんのエントリでは「相手をあるがままに受け入れる」ところまで解説しているので、その先「協力する」ことについて現状を紹介しようと思います。

 ちきりんさんのエントリは「『話し合って決める』という幻想」というタイトルですが、それは現状の主流がそうなだけであって、きちんとした合意形成が必要な最先端の現場では「話し合って決める」という幻想が具現化を始めています。

 ついこの間討論型世論調査って何??? 知らない間に始まってた市民参加の熟議というエントリで熟議という議論を通してより市民の望みを深く理解することができる討論型世論調査を紹介しました。

 ちきりんさんのエントリでも
 議論というのは「しきり役」がいないとどんどんズレてしまうものなので、遠く離れてボールを投げ合っていても、ほとんど噛み合いません。
とあります。「しきり役」がいれば、あるいは正しく議論すれば有益な結果が出てくるのです。

 たとえば休耕田の活用という活動が盛んですが、どんなにいいアイデアでも地主が「孫に美田を残したいからやだ」と受け入れないことがあります。でも見方を変えるだけで解決することがあります。そういう活動は都会に住んでエコの学習が進んでいる孫の世代には受けがよかったりします。実はその活動を始めると、将来いつ来るかわからなかった孫が今遊びに来るようになって、地主さんも大喜びという結果を生むことがあります。多様な人材で正しく議論すると今まで思いつかなかった解決策が出てきます。合意形成の手法はどんどん進化しています。

 この辺りでは最近読んだコミュニティデザイン―人がつながるしくみをつくるという本はまるごと実例がこれでもかとふんだんに紹介されています。幻想ではありません。

 

(ちょっと今手元にないので記憶で書きます。将来修正するかもです。さっきの美田の例もこの本だったかもしれません)

 この本の本題は結果が出る地域活性活動をどう合意形成しながら進めるかという具体例が紹介されていますが、生々しい例としてマンション建築にまつわるものがあります。マンション建設といえば周辺住民の反対が必ずといってありますが、共用の空間を周辺住民と一緒に設計して行くことで融和していったというものです。結局「建築反対」を最後までひっこめなかった住民もいるのですが、共用空間に関しては相互理解が進み、共用空間とその地域を分断する為に要求され設置されることになっていた壁に「ドアをつけてはどうか」ということになるほど、実質合意形成が達成されています。

 この本の面白いところは、それぞれの例が多様で、どれもこれも過程が違うというか、合意形成はこうやれば必ずできるというものではないことが良く分かります。ケースごとに深く理解して、ボタンを掛け違わないように丁寧に進めて行かなければならないことがリアルに描かれています。それでも著者の山崎さんは市民レベルでの合意形成については、かなり目処が立って来たと述べています。それよりもその市民の動きにタイムリーに付いて行けない行政が今一番の問題(自治体で決める頃には市民は冷めてしまっている)だと述べています。

 ちきりんさんのおっしゃる通りツイッターやブログの場が議論に適した場になることは難しいかもしれませんが、合意形成が本当に必要な場では「話し合って決める」ことが行われ始めています。本当に必要な場とは「多数決」が無力な場です。例えば、この地域に限られた予算の中で自治体が公園か道路を作ります。どっちがいいですか。多数決で決めたよ!自治体さん後はよろしくね!ババーンというのが昔の感覚です。ですが今は違います。自治体が作りっぱなしのものがなくなって来ています。公園はどう作るかより、その後どう市民を巻き込んで運用して行くかという話がコミュニティデザインにも紹介されています。そうしないと作っても誰も来ない公園になる可能性が高いのです。作ってからが本番なのです。意見が違う者同士、互いにあるがまま受け入れ、どう協力して公園を魅力あるものにしていくか、そういうことが主題になってきているのです。であれば、むしろ多様な意見を持つ者が集まることがより多様な市民に魅力ある公園を創り出すのに有益でしょう。

 どこでもなんでも「話し合って決める」ことは幻想ですが、「話し合って決める」技術そのものはどんどん向上していて、必要な場では実際にどんどん使われています。頼もしいですね!

・合わせてどうぞ
討論型世論調査って何??? 知らない間に始まってた市民参加の熟議
posted by 産業創出ネットワーク at 10:00 | TrackBack(1) | 記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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